遺留分請求を巡る争いを円満解決する方法

相続問題のなかでしばしば問題になるのが「遺留分請求」です。

自分の遺留分が侵害されていると感じた方が遺留分請求をし、相続人同士の争いに発展することがあります。もっとも、相続人の中には、遺留分請求に関する争いを円満に解決したいと考えられる方もいらっしゃるかと思います。

遺留分請求に関する争いを円満に解決することができる具体的な方法について、わかりやすくご説明します。

遺留分請求がトラブルになる理由とは?

まず、遺留分とは法律が一定の範囲の相続人に保障している最低限の財産取得割合のことであり、「遺留分侵害額請求」とはその権利が侵害された場合に不足分を他の相続人へ請求する制度です。

遺留分請求を巡る争いは、主に以下の理由から発生します。

  • 遺言書で特定の家族や第三者に遺産が集中し、不公平感を持つ相続人がいる場合
  • 生前贈与などで特定の相続人の財産取得が多く、不満を抱える家族がいる場合
  • 親族間の感情的な問題により、話し合いがスムーズに進まない場合

遺留分請求の争いを円満解決するためのポイント

では、具体的にどのように対応すれば、遺留分を巡る争いを円満に解決できるのでしょうか。

ここでは具体的な方法を5つご紹介します。

方法① 感情的な対立を避け、冷静に話し合う

遺産分割に関しては感情的な対立が起こりやすいですが、そういった感情的な部分をできるだけ抑え、遺留分の侵害事実や金額について冷静に話し合うことが重要です。

話し合う際には互いの意見に耳を傾け、譲歩できる部分を探るよう心がけてください。感情的になるほど話し合いが難航し、円満な解決から遠ざかってしまいます。

方法② 代理人(弁護士など専門家)を介入させる

家族や親族同士だけでの話し合いが難しい場合には、代理人を介入させることが効果的です。特に相続問題に詳しい弁護士に間に入ってもらうことにより、冷静に感情面の議論を抑えた対処が可能になります。

また、法律専門家の介在で法的根拠をもとにした合意形成が進むため、感情的な論争も起きにくく、話し合いがまとまりやすくなります。

方法③ 遺留分の正確な計算と客観資料に基づく説得

遺留分を巡る争いは多くの場合、財産の評価や計算に関する認識の違いから生まれます。そのため、客観的かつ正確な遺産や贈与の資料を提示し、具体的な数値や資料に基づいて遺留分侵害額を計算することが有効です。

お互いが納得できる根拠を示すことで、争いの余地を少なくし、円満解決に向かうことができます。

方法④ 遺産を現金(代償金)で調整する

財産の大部分が不動産などの分割が難しい遺産の場合、遺留分請求に応じるのが困難になる場合があります。

そのような場合は、不足額を「代償金」として現金で支払う方法が有効です。現金で精算することで公平かつスムーズに遺留分問題を解決できます。

ただし、代償金を支払う側の資力が必要となります。

方法⑤ 調停(家庭裁判所での話し合い)を利用する

当事者間の話し合いだけで解決が難しい場合、家庭裁判所の遺留分侵害額請求調停を利用する方法もあります。調停は裁判所の調停委員を介して、中立的な立場から円満な合意を促す制度です。

調停は非公開で進められるため、相続問題が外部に漏れる心配もありません。

円満解決をサポートできる弁護士への依頼のメリット

家庭内の財産問題は感情が入りやすくデリケートです。このような問題を円満に解決するために、弁護士への依頼をお考えください。

弁護士は以下のようなサポートを提供できます。

  • 遺産の評価や正確な遺留分侵害額計算を行い、客観的に事実や数値を整理します。
  • 代理人として話し合い及び交渉を行います。
  • 紛争が深刻化した場合でも、調停や訴訟手続きを進め、問題を解決します。
  • 感情的な議論を抑えることで、円満な解決を目指します。

当事務所が提供する遺留分請求のサポート内容

当事務所では、遺留分請求を巡る争いについて、次のような具体的なサポートを提供しております。

サポート内容 詳細・具体的な支援内容
財産調査・正確な遺留分計算 財産の公正評価、生前贈与の検証を実施し、客観的な資料を提供します。
相続人間の交渉代理 当事者の代理人として、冷静な立場での交渉を進めます。
家庭裁判所の調停申し立て 話し合い解決が難しい場合は、遺留分侵害額請求調停を迅速に申し立てます。
紛争後も安心のアフターケア 問題解決後も関連する法的相談に対応します。

まとめ

遺留分請求に関する争いを円満解決するためには、冷静で客観的な話し合いが必要です。

遺言や相続に関わる問題でお困りの際は、弁護士が丁寧にサポートいたしますので、お気軽に当事務所にご相談ください。

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